情シス(情報システム部門)があるような中小企業はまだまだ多くなく、基本的に業務システムや自社WEBサイトの管理等を外部(システムベンダー等)に委託している企業も多いと思います。
そんな中「一人情シス」として働いている方も実は多いのではないでしょうか。
「一人情シス」の立場になるきっかけは様々あり、必要なスキルや役割は多岐に渡ります。
今回の記事では、「一人情シス」として必要なスキルを解説します。
そもそも「一人情シス」なんて言葉の定義は存在しない
そもそも「一人情シス」なんて言葉の定義は存在しません。よく使われるのは「情報システムの担当が社内に1人しかいない」ということを表現する言葉として使われます。
実際、私も前職では社員200名程度に対し、情報システム部門は存在せず、「社内のPCやソフト等、情報システム・情報機器全般を管理してほしい」という要望に応えて「情シス」の仕事をしていただけのただの事務員です(笑)。
主に管理していた内容としては
管理対象 | 実施内容 | 備考 |
---|---|---|
クライアントPC | 貸与PC管理台帳の作成 OS/オフィスソフト等の更新管理 リプレイスサイクル管理 キッティング作業 等 | エクセル台帳整備 キッティングマニュアル整備 |
サーバー | アクセスログ/エラーログ管理 ActiveDirectory管理 等 | ログ定期出力バッチ作成 定期再起動バッチ作成 |
業務システム | クライアントPCへの環境構築 ヘルプデスク | 環境構築マニュアル整備 |
その他 | ヘルプデスク(操作方法~トラブルシューティング) プリンター設定 SMB設定管理 NAS定期バックアップ | Win10/Win11の基本知識習得 定期バックアップバッチ作成 |
正直書ききれません・・・(苦笑)。
クライアントPCを買い替えたら初期設定をして、業務の中で「ファイル共有ができない」といわれたらNASの設定を見直して、「メールの送受信ができない」と言われたらメールサーバーの情報と設定状況を再確認して、etc。
要するに、「一人で社内システムの運用・保守・管理をして、一人で社内インフラの運用・保守・管理」をする人を「一人情シス」と呼ぶこととします。
また「一人情シス」に対して「一人社内SE」と呼ばれる立場の方も存在します。
「情シス」と「社内SE」で異なる点は?
「情シス」と「社内SE」どちらも似たような意味合いでよく使われる言葉ですが、本来は基本的に異なる存在です。
名前 | 意味合い |
---|---|
情シス(情報システム部門) | 社内の情報システムに関する運用・保守等を担う部門のこと。 |
社内SE(社内システムエンジニア) | 社内の情報システムに関する運用・保守等を担うエンジニア(=人)のこと。 |
要するに「部門」なのか「人」なのか。根本的に異なる存在です。
実際私も、前職では非IT系企業の「一人情シス」と自称していましたが、実際は「総務課」に所属しており、その中の業務として「情シスではないが、社内IT業務全般を担当(=一人情シス)」しておりました。
どんなスキルが必要か?
前述したとおり、「一人情シス」に求められる業務範囲は多岐に渡ることが多いです。
その中でよく言われるのが下記の5種類の知識が必要と言われます。
知識 | どんな内容 |
---|---|
PCの知識 | SW(ソフトウェア) HW(ハードウェア) MW(ミドルウェア) |
ネットワークの知識 | インターネット/WAN 有線LAN/無線LAN TCP/IP |
サーバーの知識 | HW(ハードウェア) OS(オペレーションシステム) |
クラウドの知識 | クラウド技術 |
セキュリティの知識 | アクセスログ/エラーログ等監視 不正アクセス対策 |
どの領域の知識が求められているのか、どの知識が不足しているのかしっかり見極める必要があります。
また前述の知識だけでなく、下記のようなスキルが必要と言われます。
スキル | どんな内容 |
---|---|
マネジメント力 | プロジェクトマネジメント ベンダーマネジメント |
コミュニケーション力 | ベンダーコントロール コストコントロール クオリティコントロール 納期コントロール |
ヒアリング力 | ユーザー要望ヒアリング 非機能要件ヒアリング 機能要件ヒアリング |
プレゼンテーション力 | パワーポイント 非IT言語によるプレゼンテーション |
まとめ「一人情シス」とは
PCの知識 |
ネットワークの知識 |
サーバーの知識 |
クラウドの知識 |
セキュリティの知識 |
マネジメント力 |
コミュニケーション力 |
ヒアリング力 |
プレゼンテーション力 |
「一人情シス」とは「5領域の知識」×「4スキル」を必要とされる立場になることが多くあります。
特に中小企業だと情報システム部門が存在しないことが多く、「一人情シス」に立場の人が1人いるだけで会社のIT環境が大きく変わるほどの力があります。
逆に、「一人情シス」への負荷は大きく、日々業務との戦いになることは必須です。
ぜひ目標を持ち、「どの知識」「どのスキル」ということを意識しながら行動していきましょう。
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